個性競う百種類三百株
津山市内西部、吉井川に近い院庄の田園地帯に「牡丹寺」として知られる清眼寺は静かにたたずんでいます。ゴールデンウィークの前後、手入れの行き届いた境内一帯は福々しいボタンの花で華やぎ、色とりどりの花は百種類、三百株にも上ります。第三十一世住職が昭和48年頃、島根県にある大根島の行商人から二株ほど買って植えたのが始まりです。薄紅の大輪をつけた「八束獅子」、珍しい黄色の花の「ハイヌーン」など、どれもが見事です。(ぼたん回廊へ)
「色も違えば、八重や十六重もあり、一つ一つの個性が楽しい。世話は大変だが花は正直。手を抜けば花への影響はてきめん。」(第三十一世住職 談)
平成八年、寺では「福徳、富貴なボタンを地域の花に」と苗木を檀家らに配り、あちこちの庭先で花をつけています。
毎年、花に合わせてぼたん祭が開かれ、檀家の婦人の皆さんが抹茶や菓子などで参拝者をもてなしします。
また、清眼寺は「岡山花の名所100選」や「津山ふるさと景観賞」にも選ばれています。